消費者の食への健康志向が高まる中、食品メーカーでは自社製品を継続して食卓に並べてもらうために、革新的手段を開発する必要に迫られています。 植物性タンパク質と代替肉の人気は高まっており、企業はこれらの自社商品開発を急ピッチで進めています。
こうした競争激化の影響は原料のサプライチェーンにも及び、製造業者は新たな製法を研究し、新しいプロセスを構築して同等製品の開発に取り組んでいます。 これにより製造工程はますます複雑化しており、研究開発から商業生産で成功を収めるまでの過程において、フィルトレーションの効果的な管理が極めて重要になっています。
米国の植物性食品協会(Plant Based Foods Association)*とグッド・フード・インスティテュート(The Good Food Institute)が行った2021年の調査によると、2020年から2021年にかけて植物性食品の小売販売額は6.2%増加し、市場規模は過去最高の74億米ドルを記録しました。 主菜でも代替乳製品でも、栄養ドリンクの原料でも、代替タンパク質は今や食品および飲料分野の主流となっています。
現在の植物性タンパク質は、従来の大豆と種を組み合わせたものからはるかに進化しています。 代替品が増加して手に入りやすくなったことで、消費者のこだわりも強くなり、より洗練された風味や食感、味の特徴が求められるようになっています。 製造業者はこうしたニーズに応えるため、植物由来の原料の選択肢を、大豆の根、キノコの茎、菌類の胞子などにまで広げています。 こうした新しい原料を使用する際は通常、新たな製造工程の導入と、発酵処理の追加が必要となります。 そうした原料の微生物的処理や、希望どおりの特性を実現するためには、適切なフィルトレーションを使用することが極めて重要です。
植物性タンパク質の分野で最も人気がある最終製品のひとつは、ハンバーガーのパテです。この食品はできるだけ多くの消費者にアピールするよう、さまざまな味や食感、色で提供されています。 そうした多様性の一方で、この主要な代替タンパク質は今でも、主にタンパク質成分と構造成分の2つから製造されています。 そしてこれらの成分はいずれも、製造工程において重要なフィルトレーションプロセスを必要とします。
真菌胞子のようなタンパク質成分にはバイオ反応処理が行われます。これはバイオリアクター内で増殖を促進するための処理で、栄養素とともに滅菌ろ過されたガスを使用します。 このプロセスにより、食感などの独特な特徴を持つオリジナルの製品品質が生まれます。
同様に、食品用デンプンといった主要な構造成分の製造においても、製品品質を最大限に高めるためには厳格なプロセス管理が必要です。 滅菌グレードのガスと液体フィルトレーションは通常、このプロセスの一部で使用します。 製造業者はプロセスガスのフィルトレーションを使用して、発酵プロセスでろ過されたガスを均一に分散、つまりスパージングします。このプロセスには嫌気性段階が含まれるため、高度な要件がさらに加わります。
ドナルドソンのLifeTec™フィルターエレメントファミリーは、滅菌の圧縮空気とガスを必要とするアプリケーション向けに設計されており、植物由来製品などの食品および飲料処理の最適化をサポートします。 このポートフォリオには、ビール、ワイン、ノンアルコール飲料、食品成分といった液体のアプリケーション向けの製品もあります。
植物性タンパク質の製造工程はますます複雑化しており、さらに食品製造の安全性に関する規制と規格を満たすことも求められています。 戦略的に設計されたソリューションがあれば、食品製造業者は、ろ過された空気と液体を使用する際のほとんどの要件を満たせるようになります。 フィルトレーションソリューションがなければ、製造業者は生産目標を達成しつつ、コンプライアンスを順守することはできないでしょう。 ドナルドソンは現在、子会社であるソラリスバイオテクノロジー社とともに、植物性タンパク質を製造する革新的な製造業者数社と提携しています。 ラボにおける製品開発の実現可能性調査のサポートから、大規模な産業用システムの構築まで、私たちは協働で、直感的かつ拡張性の高いフィルトレーションソリューションを植物由来食品の製造業者に提供しています。