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困難な環境でも効果的な集塵を実現

シニアアプリケーションスペシャリスト、Tom Godbey

環境に適した集塵機を選ぶ際は、捕集する粉塵の特性を考慮する必要があります。 粉塵の大きさは? 非常に微細ですか? 色々なサイズが入り混じっていますか? 研磨性ですか? 吸湿性ですか? 凝集しやすいですか?それともまったく凝集しませんか? 爆発性/可燃性ですか? 腐食性/毒性/不安定性ですか?

これらはすべて、捕集する粉塵に関連する留意事項ですが、考慮すべき要因は粉塵だけではありません。 集塵機に流入、通過する気体流の特性や条件も、集塵機の選択では考慮が不可欠です。

気体流の特性は装置の選択に重要な影響を与え、粉塵の特性より影響が大きい場合もあります。 粉塵の特性と気体流の特性を組み合わせて考えることで、機器の難しい選択が進めやすくなります。 一般的な気体流の特性の一部と、適切な集塵機の選択におけるそれらの影響を見てみましょう: 温度、湿気、化学的性質。

温度

温度(特に高温)は、フィルターメディアの選定だけでなく、集塵機の構造材、フィルター様式(バグまたはカートリッジ)の選択にも影響を与えます。 温度は、フィルターの再コンディショニング/クリーニングの方法や、必要なフィルター面積にも影響します(必要なフィルター面積は、必要な空気量と妥当なフィルトレーション速度によって決まります。一般に流入空気量と呼ばれます)。 温度が高いほど、より保守的なフィルトレーション速度が必要になります。

既知の特性を持つ各種フィルターメディアが販売されています。 除去プロセスからフィルターメディアを選定することは比較的簡単に思えますが、気体流の特性を知っていることが条件となります。

すべてのメディアがどのタイプの集塵機や条件にも合うわけではありません。 一例として、ガラス繊維は、エンベロープ形状のパルスジェット集塵機バグに適しているとは見なされません。スパンボンドポリエステルがシェーカースタイルの集塵機に適しているとは一般的に考えられないのと同じです。 つまり、動作温度とその温度で使用可能なメディアが、検討する集塵機のタイプに影響を与えます。

さきほど説明したとおり、温度は集塵機の構造材料にも影響を与えます。 これには、金属、ガスケット、塗料の種類のほか、水分と酸の両方の凝結を制御する断熱の特殊要件、労働安全などが含まれます。

そして最後に、フィルトレーション速度は気体流の密度の変化に影響されることを忘れないでください。 温度の上昇とフィルトレーションされた空気の総量は温度とともに増大するため、温度は集塵機のサイズに影響します。

水分

高い水分レベルは集塵機の性能にマイナスとプラスの両方の影響があります。 水分レベルが高い場合は、フィルターメディアだけでなく集塵機本体やホッパーの内壁で凝縮した水分しないように注意し、水分が粉塵と混じって泥のようになるのを防止します。 泥になると、通常のパルスやシェイクでフィルターメディアから除去するのは、不可能ではないまでも、とても難しくなります。 泥になると通気はさらに困難で、集塵機内部の温度を水分や酸の露点より上の値に維持することは困難です。

集塵機の壁の温度を露点より高く維持することも等しく重要で、ホッパーの内壁では特に重要です。 集塵機内部ではホッパー内壁の温度が最も低いのが通常で、メディアの温度が露点を大きく上回っているのにホッパー内壁が凝縮した水分するのは珍しいことではありません。

パルスクリーニングでフィルターから払い落とされた粉塵が、ホッパーの濡れた壁に落ちるのを考えてみてください。 粉塵は期待どおりにホッパーの壁を滑り落ちず、粘着性のある粉塵が排出口にブリッジを形成し、まるでバグに泥が形成されたかのように運転を停止させてしまいます。

これらの問題を発生させないための予防対策は、ハウジングの断熱またはホッパー外部に追加のヒーティングエレメントを使用することです。 環境によっては、パルスクリーニングに使用する圧縮エアの加熱が必要な場合があります。パルスで放出される圧縮エアの膨張による冷却作用で集塵機が露点以下になるのを防止するためです。

凝縮した水分は湿気の極端な状態ですが、凝縮した水分が実際に発生しなくても、湿度が上がるだけで問題が発生する場合があります。 砂糖、塩、石灰などの吸湿性粉塵は、気体流から水分を強く吸収し、フィルターメディアからの除去が非常に困難になる場合があります。

一般的なルールとして、吸湿性粉塵を含む気体流の相対湿度が40% RH以下に保たれている場合に、集塵機が最適に機能します。 疎水性またはフルオロカーボン処理されたメディアを使用すると、これらの粉塵をフィルトレーションするメディアの粉塵放出特性が向上し、フィルターメディア全体の圧力損失がより安定し、フィルター交換の周期を延ばすことができます。

高湿度に関連する課題は比較的よく知られており、予知可能です。 ただし、温度が高くて湿度が低く、金属塩などの粉塵がある場合は、この課題がさらに困難になる可能性があります。 高温で低湿度の場合、金属塩(その他同様の特性を持つ粉塵)は、各粉塵粒子が同じ電荷を持つかのような挙動を示します。 粒子は互いに反発し、小さな粒子から大きな粒子への凝集は無視できる程度になります。 メディア上の捕集粉塵を除去してホッパーに移すには、粉塵粒子が凝集しなければなりません。粉塵が凝集しないと粒子のサイズが変化しないままになり、気流で粉塵がメディアに戻ってしまい、再び付着します。 つまり、粉塵がホッパーに移動しないことになります。 粉塵によってはこの影響は非常に深刻で、気流に湿気を与えて(ほとんどの場合、スチームの形態で)凝集を促進した方がよい場合があります。 残念なことに、こうした粉塵の特性は、集塵機の運用を開始した後でしか分からないケースが多くあります。

はい! 湿気は、高すぎても低すぎても問題になるのです。

化学的性質

化学的性質とは、多数の汚染物質を含む幅広い用語であり、最も一般的なのは酸性ガスですが、凝縮性化合物、炭化水素、揮発性有機化合物(VOC)なども含まれます。 硫黄酸化物(SOx)や塩素(CL)などの酸発生化合物は、燃焼の一般的な副産物ですが、やはりこのグループに含まれます。 これらの化合物が(燃焼の副産物でもある)水分と結合して、システム内の温度が酸露点を下回ると酸を形成する可能性があります。 これらは、構造材料、表面コーティング、断熱材、フィルターメディアなどの選定時の課題となります。 これらの汚染物質のいくつかの混合物を含む気体流の扱いはさらに困難であり、プロセスと性能の優先順位を徹底的に検討する必要があります。 多数の要件が相成れない場合があり、集塵機を最終的に選ぶ段階ではトレードオフが必要になります。たとえば、特殊コーティングで初期費用は高くなるが集塵機の寿命が長いとか、フィルター交換の周期は長いがフィルターメディアのコストが高額であるなどです。

結論

気体流の特性は粉塵集塵機の選択と運用に一般的な課題をもたらしますが、気体流がこれらの要素と組み合わさると、問題はさらに大きくなります。 1つのプロセスに対する回答が、同様の気体流に見えるプロセスに対してはベストアンサーでない場合もあります。 一例として、ポリフェニレンサルファイド(Ryton)メディアは、石炭燃焼ボイラーからの高温のSOxを含む気体流には、優れた選択かも知れません。 しかし、石炭燃焼釜からの高温のSOxを含むガスには良い選択とは言えない可能性があります。釜はかなりの量の過剰エアを誘導し、その結果として、石炭燃焼ボイラーよりも酸素含有量が高くなるためです。 この高温の湿った煙道ガス環境では、酸素レベルが8%を超えると、Rytonメディアは酸化によって物理的強度が失われる可能性があります。 ボイラー煙道ガスがそのレベルを超えることはめったにありませんが、釜からの過剰な空気が酸素レベルをそのレベルより高くしてしまう可能性があります。 したがって、酸に対する耐性は低いものの、ポリイミド(P84)メディアがより適切な選択と言えます。

ポイント: 対応が困難な気体流に対して適切な機器を選択するには、気体流の特性を徹底的に知る必要があります。 集塵機のセールスマン/エンジニアが、プロセスについて質問攻めにするかも知れませんが、この人たちの意図を信じてください。 その主な目的は、計画段階で何かを不明のまま放置したために試運転や運用中に発生する「サプライズ」を防止することです。 この種の「サプライズ」が好きな人はいませんから、問題の対策は事前に行っておくことが大切です。

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