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フィルター交換時期のカスタマイズ

ドナルドソン、プロセスフィルトレーション担当、Robert Connor Rojina、Richard Juskowiak

プロセスフィルターを適切なタイミングで交換することは、食品および飲料の安全性、ひいては事業収益の重要な要素です。 エレメントの交換が遅すぎると、カビや細菌の蓄積による汚染のリスクがあります。 交換が早すぎると、不必要なダウンタイムと費用が発生するリスクがあります。 フィルター交換の理想的なスケジュールは、施設によって異なります。

基本メンテナンスのスケジュールはカレンダーで事前に設定されており、 実質的に個々の判断によるものとなっています。対照的に、最適化されたメンテナンススケジュールは、メーカーの推奨事項に、綿密な評価を加味してお客様自身が決めるものです。この評価は、差圧性能、エレメントの完全性試験、またはその両方を基準にして行います。 スケジュールを最適化するには余分な時間がかかりますが、システムがより安全でコスト効率の高いものになるというメリットがもたらされます。

フィルターの評価とスケジュール変更プロセスで推奨される手順は次のとおりです。

フィルター製造元の推奨事項をベースラインとして使用します。

スチーム滅菌は高温プロセスであるため、エレメントにストレスを与え、サイクルを何回も繰り返すことにより、メディアが摩耗します。 フィルターには交換ガイドラインがあり、通常はフィルターが許容できる平均的な滅菌サイクル数に基づいています。 ドナルドソンが設計したLifeTec™フィルターなどの新しい技術では100サイクル以上が可能ですが、市場に出ているほとんどのエレメントでは、80~90のスチーム滅菌サイクルが限界です。

この推奨交換スケジュールは出発点です。お使いの設備によってはフィルターへの負荷が厳しくなったり緩くなったりします。 その負荷は、季節やお客様の特定の原料によっても変動する可能性があります。 たとえば、湿度の高い気象サイクルでは、サイクロン分離器とコアレッシングフィルターをより高負荷で使用して、圧縮空気の水分を制御する必要があります。 井戸水は、公営水道水よりも液体のプレフィルターへの需要が高くなります。

差圧をモニタリングします。

より正確なフィルター交換スケジュールを確立するための最初の方法は、差圧(DP)をモニタリングすることです。 DPはポンド/平方インチ(psi)で測定され、フィルターの上流の圧力と下流の圧力の差です。 この圧力差は、フィルターが引き起こしている流量制限の大きさを示します。 差圧が上昇するにつれて、フィルターは寿命に近づいていきます。 下流での大きな圧力損失は、コストのかかるシャットダウンを引き起こす前に、フィルターを再生または交換する時期であるこの警告でもあります。 ただし、この方法は、複雑なフィルトレーションシステムを備えた工場では導入が難しくなっています。

フィルターメーカーは最大圧力差を推奨しているかもしれませんが、その判断は最終的には経済性が決め手になる可能性があります。 フィルターの当初の差圧が1または2 psiであった場合、10 psiになるまでその交換を遅らせることになるかもしれません。 差圧が増加するにつれて、フィルターで失われた圧力を補いプロセスの出力を一定に保つために、ポンプの負担も増加します。 これにより、エネルギーコストの増加とフィルターの交換コストとのトレードオフが発生します。 フィルターを交換しないままでいた場合、やがて汚染物質で完全にブロックされ、コストのかかる稼動停止を引き起こす可能性があります。

完全性試験を実施します。

フィルターの負荷レベルを判断するもう1つの方法は、フィルターの摩耗をテストすることです。 空気、水またはスチームが平均よりも汚染されている場合は、テストの結果、たとえば一般に推奨されている6か月ではなく、4か月ごとの交換が適したケースもあります。

正式な完全性試験では、エレメントはDP、効率(捕捉率)、またはその両方を測定する機器に配置されます。 テスト方法は、空気、スチームまたは液体フィルターによって異なります。 液体メンブレンフィルターの場合、最も一般的な方法は、湿潤したメンブレンに加圧空気を加えて、反対側でどの程度気泡が発生しやすいか(「バブルポイント値」)を見る方法です。 プロセスで同じ機能を実行する複数のエレメントがある場合、2つまたは3つをテストして、それらを全体の代表値とすることができます。

カスタマイズされた計画には、スチーム滅菌の実施頻度を考慮する必要もあります。 たとえば、ウォーターボトリングプロセスの最後にメンブレンエレメントを使用している場合、選択したシフトの最後にフィルターの完全性試験を行い、そのデータを数週間または数か月にわたって外挿して、適切な交換間隔を見積もることができます。  メリットは明らかです。  数か月かけて交換用フィルターの在庫計画を整えることができるので、交換日が来たときには、システムの稼動を維持するために必要な部品が手元にあります。

結論

フィルター交換のダウンタイムコストを知ることは、戦略的なフィルター交換スケジュールの設定に役立ちます。 ドナルドソンは、フィルターの性能を改善することで、お客様がこの評価を実施し、ダウンタイムを最小限に抑えるようカスタマイズした予防メンテナンス戦略を作成できるようサポートします。 またドナルドソンのチームは、新規のお客様のために最初のテストを行い、適切な交換スケジュールを確立するためのお手伝いをします。

資料全文については、Plant Engineering、2017年10月号のドナルドソン寄稿をご覧ください。

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Richard Juskowiakはドナルドソンの製品サポートスペシャリスト、Robert Connor Rojinaはプロセスフィルトレーション部門のアプリケーションエンジニアです。ドナルドソンは、食品や飲料、滅菌包装、インク、塗料、コーティング、医薬品、その他の加工業界で使用される無菌空気、ガス、液体およびスチームのフィルトレーションソリューションの世界的なメーカーです。 
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