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外気溶接ヒューム集塵機の購入前に考慮すべき6つのこと

ドナルドソントリット、プロダクトマネージャー、Karen Wear

外気溶接ヒューム集塵機の導入をお考えですか?  外気集塵システムにはダクトシステムにはないメリットがあり、検討する価値はありますが、以下に挙げるような誤解もよくあるため導入を決める前に検討が必要です。

誤解1: 気流パターンを簡単に予測できる。

現実: 実際には、思いどおりの方向に空気が流れるとは限りません。  確かに最新のモデリングソフトウェアを使えば、気流パターンを予測できますが、気流の向きを強制的に変えられるのは何らかの容器(ダクトなど)につながっているときだけです。  エアフローモデリングソフトウェアには限界があります。気流パターンは、ファン、補給空気システム、開いた窓やドア、大型の固定機械、移動式機械、梁や柱、カーテン、さらには工場内の人の移動にさえ影響されます。  コンピューターモデルでは一般的な気流パターンを示すことはできますが、実際の流れを確認するには、実際のパターンを測定する以外にありません。

誤解2: 空気はプッシュプル方式で整流できる。

現実: レースサーキットのように円形に循環する気流パターンを作り出すよう設計されたシステムは、文献に示されているほど効果的でない場合がよくあります。 施設の規模や障害要素によっては、空気には、広いエリア全体を押し進み設計どおり周回しきるだけの力がない場合もあります。  長距離の排気は可能でも、空気を引き寄せるのは短距離でも実質的に不可能です。 ダクトから出ていく空気は、ダクト径の30倍の距離でも排気速度の約10%を維持していますが、ダクトに入る空気の移動速度は、ダクト径の約1倍の距離に入っただけで入口速度の約10%になります。  この物理条件を克服するには、大量の空気を強制的に動かしてシステムのインレットでヒュームを捕捉できるようにする必要があります。 広い空間でこの種の気流パターンを生成するには、巨大なファン(高いエネルギーコスト)が必要ですが、それでも、気流が部分的に途切れてしまい、押し出された空気がサーキット内の次の集塵機に到達できないこともあります。

誤解3: 外気集塵機は1つのエリアを集中的に集塵できる。

現実: 外気制御方式では、汚染物質の濃度を工場空間内で薄めたあと、 工場の空気をフィルトレーションして、汚染物質の濃度が許容閾値を超えないようにします。 工場内の汚染物質が発生する区域を物理的に隔離しない限り、汚染物質は溶接エリアなど特定エリアの空気だけでなく工場内の全体的な空気によって薄められます。

方向ノズルは空気を特定の方向に整流しやすくしますが、空気はアウトレットを出たとたんに部屋全体に拡散します。 実際には、ヒュームが工場環境全体に拡散するのを防ぐには、ヒュームを発生源で捕捉し、汚染物質が工場の空気に拡散しないようにするしかありません。

誤解4: 外気集塵システムは、発生源ごとに集塵機を置くよりも設置面積が小さい。

現実: 一般に、外気集塵機は、工場内の空気全体を1時間に数回フィルトレーションするため、局所的な集塵機よりも大型になります。 外気集塵方式は通常、工場内の汚染物質の平均濃度を許容閾値以下に抑えるための希釈換気と考えられます。

効率的なフィルターを使えば汚染物質を除去できますが、外気集塵方式では作業員の呼吸域の通過後にしか汚染物質を除去できません。 これと比較して、ソース集塵方式は少量の空気で汚染物質を発生源で制御するため、汚染物質は作業員の呼吸域に到達する前に集塵機に捕集されます。  結果的には、汚染物質を発生源で制御する方が総設置面積は通常小さくなります。

誤解5: インレットの位置はどこでも良い。

現実: ヒュームの外気集塵について定めた正式な業界ガイドラインはありませんが、一般的には以下のように考えられます。 溶接ヒュームは、生成時の熱によって、工場内の空気の停滞層の高さまで上昇する傾向があります。 そして、そこで覆いのようになって長く停滞し濃縮します。 この停滞層の実際の高度は、工場の天井の形状や温度、工場内のさまざまな乱気流の存在や影響など、多くの要素の影響を受けます。 高い位置にインレットを設置し足元にフィルトレーション済みの空気を戻す方法では、ヒュームの自然な上昇を利用し、停滞層を壊しながら、ヒュームをフィルトレーションシステムのインレットに運ぶ一般的な気流を作り出そうとします。

逆にインレットが低すぎる(停滞する空気層より下)、またはフィルトレーション済みの空気を戻す位置が高すぎる(停滞する空気層より上)場合、工場内に作り出された気流パターンは、実際にはヒュームの抑制を阻害するため、システム全体の性能が落ちます。

誤解6: 外気集塵方式は作業員を保護できる。

現実: 外気集塵は、ヒュームの濃度を低く抑え過剰ばく露を防止する優れた方法のようにに思われますが、この方式は希釈換気にすぎません。 外気集塵方式の場合、汚染物質は、工場内の空気で希釈される過程で作業員の呼吸域を通過します。 集塵機システムでは、工場内の汚染物質の平均濃度が上がらない速度で汚染物質の除去を行いますが、ヒュームが十分に希釈される前に作業員の呼吸域を通過するため、過剰ばく露のリスクが生じます。 このリスクを回避するには、個人用保護具(PPE)などの追加対策が必要になります。  ソース集塵方式では汚染物質を発生源で制御し、汚染物質が作業員の呼吸域を通過するのを防止するため、過剰ばく露のリスクを回避できます。 

要約

外気集塵方式にはメリットもありますが、それらの限界をよく理解し、工場のニーズに合う場合に限って使用しなければなりません。 作業員の過剰ばく露予防や設備のメンテナンスを確実に行うには、ソース集塵と外気集塵の併用やPPEなどで、溶接ヒュームの捕集ニーズを十分に満たすよう考慮します。 

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