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集塵機ホッパーに形成されるブリッジを削減

装置を選定する際、集塵機のサイズとフィルター効率に関する議論はつきものですが、捕集された粉塵がホッパーから最終的なドラム、ビン、袋へとスムーズに流れることの必要性についてはあまり触れられていません。 しかし、集塵機ホッパーでのブリッジを排除できれば、メンテナンスの悩みの種をなくすことができます。 

バグハウス集塵機やカートリッジ集塵機はホッパーを利用して、捕集した粉塵を貯蔵容器や粉塵移送システムに送ります。 集塵機のホッパーは、捕集した粉塵を保管するためのものではありません。そのため、粉塵が排出されないと、メンテナンス時の悩みの種となるだけでなく、集塵機の性能低下にもつながります。

集塵機ホッパーのブリッジ発生要因は多数存在します。ブリッジとは、粉塵が思わぬ場所に凝集し、排出路をブロックしてしまうという厄介な現象です。 最終的には、ブリッジによってホッパー内に粉塵が閉じ込めてられしまい、集塵機から排出されないため、集塵機内の圧力損失が許容レベルを超えて上昇する可能性があります。 ここでは、ホッパーのブリッジの一般的な原因をいくつか取り上げ、リスクを低減する方法について説明します。 この説明に目を通すことで、計画の最初の段階、つまり最も有益な段階で、当該問題について集塵機のサプライヤーと話し合うことができます。

次の4つは、集塵機ホッパー内のブリッジの一般的な原因です。

  1. 粉塵の特性
  2. ホッパーの設計
  3. ロータリーエアロックバルブのメンテナンスとサイズ
  4. 凝縮した水分/湿気
粉塵の特性とホッパーの設計

微細で乾燥した粉塵でも、集塵機のホッパーの中では取り扱いがより困難になるという特性を持つものがあります。 凝集する粉塵もあれば、ホッパー側の激しい摩擦によってスムーズに排出口へ流れない粉塵もあります。

木材粉塵は繊維質が多く、繊維が絡み合う傾向を持つ粉塵のいい例です。 ホッパーのアウトレットのサイズが比較的小さいと、繊維質の木材粉塵の繊維が絡み合い、開口部でブリッジを形成することがあります。 開口部にブリッジができてしまうと粉塵が排出できなくなり、ホッパー内に滞留します。 極端な例を挙げると、この状態が発見される前に、蓄積された粉塵がすでに集塵機のハウジングまで達している場合もあります。

このような状況は、集塵機を設置して運転を開始した後でないと発生しない可能性があるため、ブリッジは難しい問題です。 運転開始後に問題を解決しようとすると、コストがかさんでしまうこともあり、 プロジェクト開始時に粉塵の特性を確認することで、ブリッジのリスクを低減する設計を初期段階から選定できるようになります。

粉塵の特性から、ブリッジのリスクを低減する設計特性を判断できる場合もあります。 例としては、 排出口を拡大する、半径の大きいシャープコーナーに交換する、さらには、ホッパーを高くする、または傾斜を大きくすることで粉塵の滞留を防止する、などが挙げられます。

集塵機のホッパーは、粉塵を保存するためのものではありません。ただし、プロセスの急変や意図的なオフラインクリーニングによって、粉塵が急増することもあります。 こうした粉塵の急増時には、集塵機内に一時的に粉塵を保管できるホッパーが必要となります。 このような一時的な状況下では、集塵機のホッパーに大量の粉塵が捕集される可能性があります。粉塵はホッパーから迅速かつ効率的に排出する必要がありますが、うまくいかないと、集塵機の全体的な性能低下につながることがあります。

ホッパーの壁の勾配を小さくすると、ホッパーの側壁に堆積する粉塵の量を削減することができ、ブリッジのリスクを低減できます。 すべての粉塵には、表面層が静止状態を保つことができる水平面との間の最大角を表す安息角が存在します。 この値を把握することで、粉塵が排出口に向かって流れるよう、ホッパーの角度または傾斜を設計できます。

微細で乾燥した粉塵でも、ホッパーの排出口を覆うように結合してしまうと、やはりブリッジを形成してしまいます。 ブリッジ形成の防止に必要な圧力または応力を生成するには、ホッパーの排出口の大きさが十分であることと、ホッパー側壁に十分な傾斜があることの確認が重要です。 

ホッパーのアウトレットにロータリーエアロックバルブが取り付けられている場合は、さらに重要となります。 ロータリーエアロックバルブはホッパーからの排出量を制限するため、粉塵の急増により、排出中の短時間でホッパー内に粉塵が蓄積する可能性があります。 粉塵の発生時間と深度により、ロータリーエアロックバルブの回転に伴ってブリッジが発生することがあります。

集塵機に標準装備されているホッパーが最適であるとは限りません。 粉塵の特性を検討し、設計変更やオプションが必要であれば、お気軽にご依頼ください。 追加変更やオプション追加は、プロジェクトの始動直後の方がはるかに簡単に行えます。

ロータリーエアロックバルブのサイズとメンテナンス

ロータリーエアロックバルブの主な機能は、集塵機ホッパーのアウトレットの密閉です。 通常、ホッパーのアウトレットと、コンベヤーまたは排出ビンの間に取り付けられます。 ロータリーエアロックバルブは、集塵機の全体的な性能に影響を及ぼすものではないと思われるかもしれませんが、サイズが合っていなかったり、メンテナンスがしっかり行われていないと、多くの問題を引き起こす可能性があります。

ほとんどの集塵機は負圧で動作します。つまり、ロータリーエアロックバルブのブレードが摩耗すると、集塵機ホッパーの排出口から空気漏れが発生します。 集塵機の設置場所が屋内か屋外かに関係なく、この空気漏れは、複数の機構によってブリッジの原因になる場合があります。 空気漏れにより、集塵機の外部からホッパー内に湿気が侵入し、 乾燥していた粉塵が粘着質になったり、固まり始めたりします。 粉塵が乾燥したままであっても、空気漏れによって、ホッパー内の粉塵がロータリーエアロックバルブへのスムーズに流れない可能性があります。 その結果、ホッパー内に粉塵が蓄積し、粉塵の再飛散、圧力損失の増加、フィルター寿命の短縮といったリスクが高まります。 ロータリーエアロックバルブのバルブ本体とローターブレードは、定期的に摩耗の点検を行い、交換時期を決定する必要があります。

通常、ロータリーエアロックバルブは比較的簡単に選別でき、持続的な公称粉塵排出量を処理できる容量に合わせてサイズを選びます。 ロータリーエアロックバルブのサイズ不足はうっかりミスで発生します。プロセスの急変やダウンタイムクリーニングの結果、大量の粉塵がホッパーで捕集される可能性を設計者が考慮し忘れた場合です。 また、排気ファンが停止した途端に、捕集された粉塵がホッパーに落下することが多いという事実を、設計時に見逃す場合もあります。 

ファン停止後に粉塵が落下する場合、大量の粉塵排出量に対応できるサイズのロータリーエアロックバルブが必要です。 ファン停止時にロータリーエアロックバルブを停止すると、ホッパーに落下した粉塵はシステムが再起動するまで閉じ込められます。 これもブリッジの原因になりかねません。 屋外、屋内に関係なく、ホッパーが完全に空になってからロータリーエアロックバルブを停止するよう、時間差を設けることが不可欠です。

ホッパーの標準排出量は、あらゆる粉塵に対応したものであると誤解されがちですが、 大量の粉塵を処理する場合には、流動性が劇的に変化する可能性があることにご注意ください。 また、排出口ではホッパーが狭くなることによる影響も考慮してください。

近年、作業員のバルブ接触防止策として、メーカーはロータリーエアロックバルブの排出側のスクリーンを製造・出荷していますが、 このスクリーンによって、排出口で粉塵の流動性が妨げられることがあり、粉塵の特性によっては、スクリーンが原因でブリッジが発生する場合もあります。

凝縮した水分/湿気

粉塵には吸湿性を有するものもあります。 吸湿性とは、粉塵が水分を吸収し保持するという性質を意味します。 ホッパー内に湿気があると、この状態が問題の原因となる可能性があります。 吸湿性の粉塵がホッパーに落下し、そこに湿気が含まれていれば最終的な流動特性が変化することとなり、前述と同じブリッジの問題を頻繁に引き起こします。

漏れによってホッパーのアウトレットに湿気が入り込むことに加え、一定期間停止している集塵機ホッパーの内面に、湿気により凝縮した水分が発生する可能性もあります。 これは、集塵機が屋外に設置されている国の多くの地域で発生しますが、処理を行っていない工場の集塵機においても発生する場合があります。

気温が上がったり下がったりすると、温かいプロセス空気が集塵機に入り込み、断熱されていない集塵機の壁の内側に湿気が凝縮されます。 凝縮した水分は、繊細な粉塵と反応し、ホッパー側面に付着しやすくなります。 これにより粉塵の流動性が低下して、最終的にブリッジが発生します。 排気ファンの停止と同時にロータリーエアロックバルブが停止する場合、ホッパー内の残留粉塵についても同じことが言えます。 凝縮した水分によって粉塵の流動特性が変化します。

寒冷な気候の地域の屋外など、凝縮した水分が懸念される場所に集塵機が設置されている場合、まず排気ファンを起動して集塵機に空気を循環させ、集塵機のハウジングとホッパーを温めてから、集塵機に粉塵を吸引する必要があります。 集塵機への粉塵の吸引を停止した後も排気ファンの運転をしばらく続け、すべての粉塵が集塵機から排出されるまで集塵機表面を温めておかなければなりません。 これらの手順を踏むことで、冷間起動や冷温停止による凝縮した水分の発生を防止できます。 気温が極端な環境下に集塵機を設置する場合は、断熱材の使用も考慮した方がよいでしょう。

ホッパーのブリッジを防止するその他の対策

ホッパーのブリッジリスクを軽減する対策として、次のようなものがあります。

  • ロータリーエアロックバルブを監視し、ローターが回転していることを確認するゼロスピードスイッチ
  • ホッパー内の堆積を早い段階で示すホッパーレベルインジケーター とりわけ回避可能な問題にしては、比較的低コストに収まるオプションです。

ブリッジの一般的な原因を知ることは、懸念事項を減らす鍵となります。 原因を把握していると、ブリッジの懸念について、早い段階で集塵機メーカーの担当者に相談することができます。 粘着性の粉塵や湿気のある粉塵の場合、壁の勾配がより小さいホッパー、メーカー工場でのホッパー内部の粘着防止コーティング、またはその両方が必要になる可能性があります。 乾燥した微細なバルク形状の粉塵、凝集性粉塵、吸湿性粉塵の場合は、ホッパーのアウトレットを標準より大きくし、ロータリーエアロックバルブのサイズも大きくする必要があります。 ホッパーに結露の可能性がある場所では、外部断熱についても検討する必要があります。

ブリッジの問題が、集塵機のサイジングやフィルトレーション効率に関連することはほとんどありませんが、生産の損失につながります。 ただし、通常、集塵機の設定とホッパーの排出装置を早期に決定することでブリッジを抑制できます。

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