バグハウスは、板金製のハウジング内に取り付けられた布製のフィルターバッグまたはプリーツフィルターを使用して、産業プロセス中に発生する空気中の汚染物質を除去する集塵機です。 費用対効果が良く効率的であることから、最も広く使用されている集塵システムの一つです。
バグハウスは大気汚染防止装置として機能し、産業環境の有害な微粒子や粉塵を捕捉して清浄な空気を排出します。
バグハウス集塵機は、産業環境のニーズや用途によってサイズ、容量、デザインが異なりますが、一部のコンポーネントは共通性があります。 ほとんどのバグハウスシステムは以下を備えています。
ほとんどのバグハウスは、粉塵を含む空気を集塵機に引き込むファンまたはブロワーを装備することによって機能します。 粉塵を含む気流は、バグハウスフィルターのフィルター表面で粉塵が捕集され、同時に清浄な空気がフィルターを通過して集塵機から排出されます。
バグハウスにはさまざまな形状やサイズがあります。 使用するフィルターバッグはプロセスのニーズやフィルターの種類に応じて、シングルバッグから数百または数千ものフェルト、またはプリーツ加工のものまで多岐にわたります。
プロセスオーナー様の多様な粒子特性や用途特性に対応するため、さまざまな種類のフィルターメディアをご用意しています。 たとえば油性の粉塵の場合、粉塵を効果的に処理するうえで撥油処理を施したフィルターが必要になることが多いです。また水分が存在する場合は、ポリプロピレンやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)処理を施したフィルターが必要になることがあります。 プリーツフィルターはフィルトレーション効率や耐摩耗性にも優れています。
バグハウスでは、フィルターの寿命を延ばし、バグハウスの効率的な稼動を維持するため、フェルトフィルターやプリーツフィルターの清掃にもさまざまな方法が用いられます。 機械式シェーキング、逆風圧、中圧、圧縮空気パルスジェットはすべて、フィルターから粉塵を取り除くために用いられるフィルター洗浄方法の一種です。 それぞれの方法に利点と欠点があり、さまざまなタイプのバグハウス集塵機で利用されています。
バグハウスには以下のようなフィルター洗浄方法があります。
エア逆洗式バグハウス: エア逆洗式バグハウスのフィルターは、ほとんどの場合、集塵機のクリーンエアサイドに設置され、集塵機のクリーンエアプレナムとダーティエアプレナムを仕切るチューブシートに固定されます。 設置が完了すると、フィルター本体が集塵機のダーティエアプレナム内に懸架され、粉塵を捕集する準備が整います。 稼動中、粉塵を含む空気がバグハウス内を流れ、フィルターバッグの外側に集まります。 フィルターを掃除するには、ファンやブロワーを使って清浄な空気の流れを作ります。 空気流は回転アームを用いてフィルターのクリーンサイドの開口部に送られます。 ファンからの気流によってフィルター内の空気の流れが瞬間的に反転し、空気の背圧によってダストケーキが粉砕されてホッパーに落下します。 エア逆洗式バグハウスは、バグハウスとフィルターの性能を最適に保つため、稼動中に連続的に清掃を行うことがよくあります。 エア逆洗式バグハウスの大容量低圧のフィルター洗浄はバッグに優しく、摩耗や損傷を軽減させる傾向があります。 ただし、必要なメンテナンスの回数が増えることがあり、逆吸い込み型ブロワーが動力を必要とするため、多くの場合運転コストは高くなります。
中圧式バグハウス: 中圧式バグハウスは中圧中容量のクリーンエアパルスを使用し、捕集後のフィルターからダストケーキを除去します。 エア逆洗式バグハウスと同様に、フィルターは通常バグハウスのクリーンエアサイドに設置され、フィルター本体がダーティエアプレナム内に懸架された状態でチューブシートに固定されます。 容積式(PD)ポンプで空気をリザーバータンクに送り込み、回転アームで中圧中容量の空気をタイマーボードで制御された間隔でパルス状にフィルターに送り込みます。 フィルターに送り込まれた空気のパルスは、エア逆洗式バグハウスと同様に気流を反転させ、ダストケーキを払い落し、フィルターを洗浄します。 中圧式バグハウスのパルス特性、つまり洗浄システムによってフィルターに発生するインパルスは通常、エア逆洗式バグハウスよりも強く、フィルター洗浄に効果的です。 PDポンプのモーターは逆吸い込み型ブロワーよりもはるかに小さい傾向にあり、エネルギーの節約になります。 独立型洗浄システム、パルス特性、エネルギー効率を併せ持つ中圧式バグハウスは、さまざまな産業で支持されている選択肢です。
パルスジェット式バグハウス パルスジェット集塵機は逆洗パルス式バグハウスとしても知られており、圧縮空気のパルスを利用して汚れたフィルターを洗浄します。 他のバグハウスと同様に、集塵機は粉塵に汚染された空気を取り込み、フィルターで捕捉します。 パルスジェット集塵装置を洗浄するには、圧縮空気のパルスを、各フィルター列の上部に取り付けられたブローパイプを通してフィルターのクリーンサイドに送ります。 これにより払い落されたダストケーキが、集塵機の下部にあるホッパーに落下し、除去されます。 圧縮空気のパルス特性(インパルス)は中圧式またはエア逆洗式のバグハウスよりも強く、別タイプの洗浄システムよりもフィルターに付着した粉塵をより効果的に除去します。 パルスジェット洗浄では、清浄で乾燥した圧縮空気を生成し、設備から集塵機に送るためのコストがかさむことがあります。 また、大型のバグハウスは大量の圧縮空気を必要とするため、運用コストが高くなります。
メカニカルシェーカー式バグハウス メカニカルシェーカー式バグハウスは他のバグハウスと異なり、フィルター清掃に空気を使用しません。 フィルターは他のバグハウスと同様にチューブシートに取り付けられ、空気が通過する際にフィルターメディアの表面で粉塵が捕集されます。 バグハウス集塵機の構造に応じて、粉塵はフィルターの外側または内側に捕集されます。 フィルターを清掃するにはバグハウスシステムを停止し、バッグを機械的に振り動かして(シェ―キング)、バグハウスフィルターを清掃します。 小型の集塵機ではシェーキングを手動で行うことができますが、大型のバグハウスでは一般的にモーターを使用します。 シェーキングによってダストケーキが剥離され、ホッパーや集塵装置に落下します。 機械式シェーキングは、一般的にプロセスのシャットダウン前に短時間だけ実行される断続的使用の用途に使用されます。 パルスジェット式、中圧式、エア逆洗式のバグハウスは、いずれもフィルター洗浄に多くの資本コストと運転コストを必要とするため、シェーカー洗浄はこのような用途に適したコスト効率の高いソリューションです。 ただしシェーカー洗浄では、ダストケーキの除去やフィルターの洗浄が他のタイプのバグハウスほど効果的ではない傾向があります。
バグハウスの性能に影響する要因として以下が挙げられます。
バグハウスのサイズ: 用途やプロセスに適したサイズの集塵機を使用しないと、フィルターの摩耗が大きくなることがあります。 バグハウスのサイズが小さすぎたり、フィルターやフィルターメディアの数が少なすぎたりすると、十分な捕集速度やエアフローが得られない、フィルターの寿命が短くなる、換気が悪くなる、機器が損傷する、排出ガスが増加する、作業環境の危険要因になるといった影響があります。
フィルターメディア: 産業プロセスにおける幅広い用途と粉塵特性に対応するため、さまざまな種類のバグハウス用フィルターメディアをご用意しています。 フィルターメディアは環境によって働きが異なるため、粉塵とプロセスのニーズに合った適切なフィルターメディアを選ぶことが不可欠です。 適切でない濾布を使用するとフィルターの寿命が短くなり、圧力損失が大きくなるため、エネルギーコストや運転コストが増大し、フィルターが損傷する原因になります。
洗浄タイプ: バグハウスの構成や洗浄タイプも、その性能に大きく影響します。 エア逆洗式、中圧式、パルスジェット式、機械式など、それぞれのタイプに長所と短所があります。用途に適したタイプの洗浄システムを選ぶことで、性能の向上、フィルター寿命の延長、運転コストの削減が可能になります。