適切なサイズの集塵機を選ぶには
施設に合った集塵機のスタイルと
サイズの選定時に考慮すべき要素
集塵機は、木工、金属加工、製造、食品、製薬、その他多くの産業施設など、粉塵が発生するあらゆる作業環境に不可欠です。 粉塵抑制が不十分な場合、施設内の環境に影響を与え、従業員の業績不振や生産性の低下を招くことがあります。 適切な集塵テクノロジーを導入することで、作業環境を清潔に保ち、生産性を高めることができます。
ニーズに適したスタイルとサイズの集塵機を選定する際に考慮すべき要素は、以下のとおりです。
施設内で発生する粉塵やヒュームの種類を確認します。 粉塵の特性(水分、温度、粒子の形状、化学組成)を考慮します。 これにより、必要な集塵機のタイプ(カートリッジ、バグハウスまたは波型加工技術)を判断できます。 通常、集塵機の「タイプ」には複数の選択肢があります。 その他、スペースや実用性、コストなども考慮しなければなりません。 アプリケーションの操作順序や使用頻度も考慮する必要があります。 集塵機を使用する場所が1日3時間しか稼動しない学校の木工室であれば、フィルターシェーカー付きのユニット式集塵機が最適な選択肢かもしれません。 ただし、複数のシフトを実行する重工業プロセスの場合、これは選択肢にはなりません。
施設で可燃性粉塵が発生する場合は、粉塵に関連するNFPAの要件によって火災や爆発を低減する装置の必要性が決まるため、これを考慮する必要があります。
捕集する必要のある粉塵やヒュームの種類を特定したら、システムのエアフロー要件を決定します。 つまり、機器への直接接続であれ、 独立型のフードであれ、システム内の各ピックアップ位置(フード)のエアフロー要件を追加します。 必要なエアフローは、フードのサイズとスタイル、推奨される捕捉速度に基づきます。 推奨される捕捉速度は、微粒子のサイズと密度、粉塵を発生させるプロセス、材料の有毒性によって異なります。 速度が上がるほど、プロセスで必要とされるエアフローも高くなります。 この測定は頻繁に行わないと必要なエアフローを判断するのが難しいため、ぜひドナルドソンの担当者にご相談ください。
集塵機の総エアフロー要件が決まれば、先に選択した集塵機のタイプに基づいてサイズを決定します。 すべてのフィルター付き集塵機について、ドナルドソンはAMR(エア対メディア比)または最大CFM定格(フィルターエレメントあたり)をさまざまな種類のダストやヒュームに応じて推奨するデータベースを用意しています。 低、中、高の粉塵負荷については、稼動時間(1日あたりの時間数、週あたりの日数)と発生する粉塵の量に基づく考慮事項があります。
集塵機のサイズ選定の概念を説明するため、上述の基準点の一部に対応する以下のシナリオ例を作成しました。
インディアナ州中部のあるオーダー家具工場は、製造、組み立て、仕上げスペースを合わせて5万平方フィートの施設を所有しています。 従業員は25名で、通常は1名あたり週に5日、8~10時間のシフトで勤務しています。 工場内の加工設備には次のようなものがあります。
これらの各項目には、機械メーカーが指定する(通常、機械に設けられた接続ポイントを経由)、またはACGIH(米国産業衛生専門家会議)が提供する産業用換気基準によって決定される排気風量の要件があります。
この例では、それぞれ合計7,090 CFMの標準的なエアフローを提供しました。 オーダーメイドの家具製造ということから堅木材と合板(MDF、突き板合板)が中心で、作業日数と従業員数から、基本的に連続稼動が想定されます。 木材粉塵は可燃性であるため、この装置は屋外に設置し、安全のためNFPAに準拠したものを提供することになります。 さまざまな機械タイプによって生成される不均一な粒子サイズを考慮して、この用途に適しているバッグ式集塵機を推奨します。 バッグ集塵機のAMRを7:1と仮定して、連続稼動のパルスジェット集塵機を選択すると、約1,000平方フィートのフィルター面積が必要になります。
適切なサイズの集塵機を選択することは、システムのダウンタイムを最小限に抑え、生産スケジュールを維持するうえで重要です。